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2017年第592回例会(2017/10/10)

演奏会概要

  • 時 間

    2017年10月10日(火) 18:15開場/18:45開演
  • 会 場

    東京文化会館小ホール
  • 例会チケット

    前売券・当日券:全自由席 5,000円
    (学生2,000円)
    ※当日券17:45より販売(学生券あり)

ラ・プティット・バンド・ストリング・クァルテット
La Petite Bande String Quartet

 シギスヴァルト・クイケン Sigiswald Kuijken(ヴァイオリン)
 サラ・クイケン Sara Kuijken(ヴァイオリン)
 マルレーン・ティアーズ Marleen Thiers(ヴィオラ)
 ロナン・ケルノア Ronan Kernoa(チェロ)

 

PROGRAMM

《クイケンの弦楽四重奏曲》

▶弦楽四重奏曲 イ長調 K464
  Quartett in A für zwei Violinen, Viola und Violoncello K464
▶弦楽四重奏曲 変ホ長調 Hob.III:38「冗談」(ハイドン)
  Quartett in Es für zwei Violinen, Viola und Violoncello Hob.III:38(J.Haydn)
▶弦楽四重奏曲 ニ長調 K575「プロイセン王第1番」
  Quartett in D für zwei Violinen, Viola und Violoncello K575

出演者のメッセージ

 今回の演奏プログラムは、弦楽四重奏曲の書法に於けるW.A.モーツァルトとJ.ハイドンの並外れた技術と技能の例である3曲の非常に素晴らしい作品で構成されております。

 今回演奏するこれら3曲の作品は何れも、モーツァルトがウィーンで独立した作曲家(異例で危険な決定!)として足場を固めた1781年以降に作曲されたものです。ハイドンはその時、大変な音楽愛好家であったニコラウス・エステルハージ侯爵の宮廷楽長として働いておりました。この時には2人共、既に非常に有名な作曲家になっておりました。

 ハイドンとモーツァルトは非常に親密な間柄で、お互いに相手の作品を心から尊敬しておりました。モーツァルトは、殊に弦楽四重奏曲の分野では、ハイドンに捧げた6曲の偉大な四重奏曲の出版譜の序文に書かれているとおり、ハイドンを自分の先生であり先達と考えておりました。その第5曲(イ長調 K464)が今晩のプログラムの最初の作品となります。モーツァルトのK464に続いて、ハイドンの変ホ長調の四重奏曲(作品33、所謂「ロシア四重奏曲」の第2番)を演奏いたします。この曲は、ハイドンが音楽的ユーモアの特別の感覚を披露する、メヌエット(スケルツォ)及びフィナーレでの幾つかの独特なパッセージに因んで、「冗談」という愛称で呼ばれております。

 休憩後、モーツァルトの3曲の“プロイセン”四重奏曲の第1曲を演奏します(プロイセン王への献呈用に作曲されたもので、その第1曲目がニ長調K575です)。この曲はモーツァルトがプロイセン宮廷を訪問した後、ウィーン帰郷の直後に作曲されました。このプロイセン王は自身非常に熱心なチェロ奏者でしたので、ルイジ・ボッケリーニやベートーヴェン!を含む何人かの作曲家たちが、彼に、チェロが目立った働きをする作品を献呈しております。このモーツァルトの四重奏曲K575は書法上の精妙さと透明感、及び晩年の円熟の境地に特徴があります。私達が、モーツァルトが語ることにじっと聴き入り、彼の思考をたどるとき、モーツァルトは私達に親密に語り掛けて来ます。

 このプログラムで、私達は、ハイドンとモーツァルトという友人同士の両方を称え、光栄を与えたいと思います。と言うのも、彼らの弦楽四重奏曲は、2人の深く美しい友情とお互いの音楽的知恵から生まれたものだからです。私達は、日本の聴衆の皆様も、私達のこの選曲を喜んで頂けるものと確信しております。

シギスヴァルト・クイケン

シギスヴァルト・クイケン(ヴァイオリン)

 1944年ブリュッセル生まれ。ブリュージュとブリュッセルの音楽院に学ぶ。独学で17~18世紀の演奏技法を研究、69年あごで楽器を支えず自由に肩に持たせかける奏法を発表し大きな話題となった。72年ラ・プティット・バンド結成。シギスヴァルトは恒久的なリーダーとして精力的な活動を続けている。2004年彼の研究により復元された「ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラ」でバッハ時代のチェロ・パートを演奏し注目を集める。71年から96年までハーグ音楽院、同時に93年から2009年はブリュッセルの王立音楽院で教鞭をとっている。その他、ロンドンのロイヤル・カレッジ、シエナのキジアーナ音楽院、ジュネーブ音楽院、ライプツィヒ音楽大学等で客員教授として教えている。2007年2月にルーヴェン・カトリック大学より名誉博士号を授与、2009年2月にはフランドル政府より「生涯功労賞」が授与された。

サラ・クイケン(ヴァイオリン)

 ブリュッセル音楽院、さらにアムステルダムのスウェーリンク音楽院でJ.クスマウル教授のもとで研鑚をつみ、1995年に卒業。93年7人の音楽家と室内楽団“Oxalys”を結成、98年までヴィオラ奏者と音楽監督を務める。94年父シギスヴァルト・クイケンからバロック音楽を学び始め、ラ・プティット・バンドと何度も共演する。2004年から2009年まで、ブリュッセル音楽院にてバロック・ヴァイオリンの准教授を務める。2015年からクイケン・クァルテットの第2ヴァイオリンとしてハイドンからモーツァルト時代の曲を演奏している。

マルレーン・ティアーズ(ヴィオラ)

 ブリュッセル音楽院にて、アルテュール・グリュミオー、モリス・ラスキン等とともに学ぶ。シギスヴァルト・クイケン同様、早くから古楽に魅了され、奏法を学ぶ。バロック・オーケストラ、ラ・プティット・バンドの第1ヴァイオリンを務めるとともに、マネジメントの役割もこなし、同楽団を支えている。1986年からはクイケン・クァルテットのヴィオラを担当。ラ・プティット・バンド、クイケン・クァルテットのほぼ全ての演奏会とレコーディングに参加。シギスヴァルト・クイケンとともに、定期的に音楽と精神的なことに関し協議を行っている。

ロナン・ケルノア(チェロ)

 フランスのルーアンとパリでチェロ、室内楽を学んだ後、ブリュッセル音楽院に学び、2009年に最優秀で卒業、学士を取得。ヴィーラント・クイケン、フィリップ・ピエルロにヴィオラ・ダ・ガンバを学ぶ。2004年から古楽器に専念し、ラ・プティット・バンドの他、多くのアンサンブルに参加、ソロ、室内楽奏者として、国際音楽祭に数多く招待されている。ソニー・クラシカルをはじめとした多くのレーベルで多くの録音を発表。またライプツィヒ音楽演劇大学、ベラクルス大学、アントワープ王立音楽院などの教師として招待されている。

チケット取り扱い

東京文化会館チケットサービス 03-5685-0650
日本モーツァルト協会 03-5467-0626

※学生券は日本モーツァルト協会のみ取り扱い

アンコール

F.J.ハイドン作曲:弦楽四重奏曲 ニ長調 Hob.III:42より第2楽章

注意事項

※ 出演者・プログラムは変更することがございます。予めご了承ください。
※ 10歳以下の方の入場はご遠慮下さい。
※ 会場での無断撮影、録音は固くお断りします。