シャルル・リシャール=アムラン Charles Richard-Hamelin(ピアノ・指揮)
東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団 Tokyo City Philharmonic Orchestra
《創立70周年記念例会Ⅲ エルヴィラ・マディガン》
▶幻想曲 ニ短調 K397*
Fantasie in d K397
▶ピアノ協奏曲 第20番 ニ短調 K466
Klavierkonzert in d K466
▶ピアノ協奏曲 第21番 ハ長調 K467
Klavierkonzert in C K467
*プログラムの冒頭に幻想曲 ニ短調 K397(ピアノ・ソロ)を演奏いたします。
日本で初めて、私自身が特に愛しているモーツァルトのピアノ協奏曲を2曲お届けできることを、とても楽しみにしています。
ピアノ協奏曲 ニ短調 K466 は、私のレパートリーの中でも、そしてモーツァルト自身の作品の中でも、特別な存在です。モーツァルトのピアノ協奏曲で短調で書かれた作品はわずか2曲しかなく(もう1曲はハ短調 K491)、このK466は、強いドラマ性と鮮やかなコントラストに満ちています。そして作品全体を通して、張りつめた緊張感が漂っています。穏やかで優しい第2楽章(ロマンス)でさえ、嵐のような場面によって突如として遮られるのです。
今回演奏するカデンツァはすべて私自身が書いたもので、ニ短調という調性を持つモーツァルトの他の作品――幻想曲 K397、オペラ《ドン・ジョヴァンニ》、そして《レクイエム》――へのささやかな引用を織り込んでいます。
ピアノ協奏曲 ハ長調 K467 は、ニ短調の協奏曲のわずか数週間後に書かれた作品ですが、その性格はまったく対照的です。モーツァルトの中でもとりわけ喜びに満ちた作品のひとつで、最初の音から最後の音まで、生命感と光にあふれています。第1楽章と第3楽章のカデンツァも私が作曲しましたが、この協奏曲の持つ遊び心や軽やかさが伝わればと願っています。
指揮者を置かず、編成を少し小さくしたオーケストラで演奏することは、これらの時代を超えた名作を味わうための、とても素晴らしい形だと思います。より親密なこの編成では、舞台上の一人ひとりの音楽家が、より深く音楽に関わることができ、協奏曲の中に息づく室内楽的な魅力が自然と浮かび上がってきます。
多くのロマン派のピアノ協奏曲ではソリストが主役になりますが、モーツァルトの協奏曲の真の魅力は、まさにこの「共演」にあります。ソリストとオーケストラが同じ呼吸を分かち合い、まるでさまざまなオペラの登場人物たちを同時に演じるような瞬間に、音楽の魔法が生まれるのです。
この刺激的なプロジェクトで、コンサートマスターの戸澤哲夫さん、そして東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団の皆さんとご一緒できることを、心から楽しみにしています。
シャルル・リシャール=アムラン
音楽の流れを自然に美しく紡ぎ上げ、繊細な感情表現で聴衆を魅了し、世界中で活躍しているカナダが誇る若きピアニスト。
2015年に行われたショパン国際ピアノ・コンクールで第2位とクリスチャン・ツィメルマン賞(ベスト・ソナタ賞)を受賞し、同世代の中でも最も重要なピアニストと注目されている。
プラハの春音楽祭、ラ・ロック・ダンテロン国際ピアノ音楽祭(フランス)、ショパンと彼のヨーロッパ国際音楽祭(ワルシャワ)などの様々な有名音楽祭に出演。ソリストとしても、カナダをはじめ、欧米の主要なオーケストラと共演している。
ケベック州ラナウディエル生まれ。P.サルドゥレスク、S.ライモン、B.ベルマン、A.ラプラントに師事。2011年マギル大学を卒業、2013年にはイェール大学から修士号が贈られた。2016年にモントリオール音楽院を修了。ピアニストのJ.サウルニエとともに後進の指導にもあたっている。
カナダのアナレクタ・レーベルからリリースされている12枚のCDは、いずれも高く評価されている。
日本へは2016年5月のリサイタル・デビューで大成功を収め、一躍人気ピアニストとなり、すでに9度の来日を果たし、その演奏は毎回絶賛されている。
©Elizabeth Delage
1975年設立。現在、常任指揮者に高関健、首席客演指揮者に藤岡幸夫を擁する。年間100回を超える公演は、定期演奏会のほかオペラ、バレエ、テレビ出演、CD録音、音楽鑑賞教室まで多岐にわたる。1994年から東京都江東区と芸術提携を結び、ティアラこうとうを主な拠点としてティアラこうとう定期演奏会をはじめとする各種コンサートや公開リハーサル、楽器の公開レッスン、区内小学校へのアウトリーチ活動など、地域に根ざした音楽文化の振興を目的に幅広い活動を行っている。2015年4月、楽団創立40周年を迎え第4代常任指揮者に高関健が就任。2021年5月には桂冠名誉指揮者飯守泰次郎の傘寿記念として「ニーベルングの指環」ハイライト特別演奏会(演奏会形式)を開催。コロナ禍での開催ながら、海外から世界最高峰のワーグナー歌手陣を招き大成功を収め、2022年8月に第30回三菱UFJ信託音楽賞を受賞。これからの活躍が最も期待されているオーケストラである。
©K.Miura
東京文化会館チケットサービス 03-5685-0650
日本モーツァルト協会 03-5467-0626(平日)
※学生券は日本モーツァルト協会のみ取り扱い
※ やむを得ない事情により出演者・プログラムを変更する場合がございます。ご了承ください。
※ 10歳未満の方の入場はご遠慮ください。
※ 会場での無断撮影、録音は固くお断りいたします。